ごはんがおいしくない
先に書きましたが、知人が私がちょうど告知を受けた頃、がんで亡くなっていました。
そのお話を聞いてから、ごはんがおいしく感じられなくて困っています。
身体のために三食は食べていますので食べられないということはありませんが、
なんというか…なんだろうな。虚無感のような。
あんまりよくないですね。
周りの方が心配して私には内緒にしてくれていたのですが、
今の私の感じていることは多分皆さんが想像していることとは違っています。
彼女ががんかも、と噂で聞いたとき、そんなことってあるのかーひどいねーと言いながら、私は彼女に連絡を取らなかった。メールアドレスは知っているのだから、連絡は取れたのに。
でも、今自分ががんになったとき、考えていたことはその程度の付き合いの人たちに対して「メールアドレスも電話番号も知っているのに、大丈夫? の一言もないなんてなんてみんな冷たいんだろう」と言うことでした。
本当に、ずっと、たくさんの人に対してそう思っていました。今も正直そう思う気持ちはあります。
でも、同じことを私もしていたんだ。なんの悪気もなかった。でもそうしていた。
彼女の弱音を少しでも聞いてあげることができたかも知れない。
一緒に泣いたら、彼女は少しでも救われたかも知れない。
そういう後悔と一緒に、自分がしなかったことをしてくれなかった人を責める気持ちを持ち続けている自分に対しての嫌悪感がすごいのです。
なんだ私。ばかか私。そういう傷つき方をして、この数日気持ち悪くてもやもやしています。結局自分のことばかり。
キャンサーギフトって言うけど、誰もががんになったらきれいなことばっかり感じるわけじゃない。感謝したことも反省したこともいっぱいあるけど、それ以上にどろどろのことばっかり考えている気がする。
がんになったら心がきれいになったよね! よかったよね! って言う考え方が最高に気持ち悪い。
そんなふうに考えてしまう自分もいやだけど仕方ない。
身体もしんどいし思い通りに行かなくなった人生を前にして、そんなにきれいに真っ直ぐに生きられる人っているのかな…いるのだとしたら、それが大多数だとしたら、私はいったいなんなんだろう。